1000億円の資産を持つ(記事タイトルより)と言われるジャニーズ事務所は、被害にあった男児・男性への救済策を発表しています。通常の裁判ですと、時効というものが存在し、証拠の有無なども厳しく求められますが、今回はそれを考慮しないと発表しており、何十年も前の出来事についてほぼ無制限に補償をしていく姿勢のようです。いったいどれほどの「被害者」が訴えでるのかわかりませんが、今回、心理学の視点から気にしたいのは、補償をしたらそこで終わりなのかという点です。
車をぶつけたり、家の窓ガラスを割った場合の補償は、弁償して新しいものと交換したり、修理をすることで、一応の「終わり」となります。
しかし殺人やレイプなど、人の心の傷を残すような事件の場合、犯人が刑務所で服役して深く反省しても、あるいはお金という形で補償をしても、被害にあわれたかたの心の中に残る傷は、癒されるのでしょうか?消えるのでしょうか?もう終わった話、と割り切れるのでしょうか?
世の中には色々な方がいますので、もちろんそれで割り切れる、傷が癒える方もいるでしょう。
一方で、それでもなお、何十年もたっても苦しみ続ける方もいるでしょう。
私たちカウンセラーは、そうした方の少しでも力になれればと思い、日々できることを増やし、研鑽し続けています。
特に男児・男性の性被害は、どこに相談したらよいのか。どんなカウンセラーに聞いてもらいたいか。
このあたりのマッチングも難しくなるかもしれません。
どうか全ての被害にあった方の心に、一日も早い平穏が訪れるように祈っています。