韓国の健康保険審査評価院によると、2017年から2021年の間にうつ病患者は68万人から91万人へと34%増加しましたが、このうち20~30代の患者数は15万9000人から31万人へと2倍近く急増したとのことです。
この4月、保健社会研究学術誌に掲載された自殺に関する研究論文によると、満20~39歳の青年1012人を調査した結果、42.1%がこの1年間に自殺を考えたことがあることがわかったという、衝撃的なニュースが紹介されていました。
厳しい見方をすると、この手法の調査は「アンケート精神医学」と呼ばれます。1年間のうち、1回でも自殺を考えたことがありますか?と聞かれて、半数くらいの方が「ある」と答えても、それ自体はそこまで驚くことではありません。年に1回くらい、そんなことを思った日もあるでしょうと考えると、多くの人が該当するものです。
問題は、だからと言ってこの記事を看過していいわけではありません。若者のうつ病が急増していること、うつ病と自殺は強い関連性があること、本気で自殺を考えながら、それでも毎日必死に耐えて生きている若者が42%はいないとしても、かなりの数いることは事実です。こうした人たちに、救いの手が伸びることが大切です。
自殺をほのめかされると、近くにいる家族や友人はびっくりしてしまい、恐れや不安を感じ、「そんなこと言わないで」と、とっさに否定しようとするかもしれません。
そこでじっくりと話を聞くことは、一般の方にはなかなか難しいかと思います。せめて、ご家族や友人と一緒に、専門家を訪ねてほしいものです。
誰かが自分のために、一緒に動いてくれたということが、その方にとってとても勇気になり、救いになるでしょう。